言葉の世界
投稿日:2025年11月10日
11月10日 雨だったり晴れだったりの福島伊達
秋の空は変わりやすいと言いますが、
まさにその通りの天気です。
さて、言葉の世界、の話
救われてんじゃねえよ
上村裕香 新潮社
17歳。誰かの力を借りなきゃ、笑えなかった。
主人公の沙智は、
難病の母を介護しながら高校に通う17歳。
「わたしは不幸自慢スカウターで言えば
結構戦闘力高めなんだと思う」
そんな彼女に舞い降りたのは、
くだらない奇跡だった。(本書帯より)
「ヤングケアラー」の言葉が
ようやく浸透しつつありますが、
その実態を知るには壁があり、
当事者のさまざまな苦労は見えてきません。
勉強をし、部活に励む学生とは違う、
自分が家族を支えなければならない
その責任の重さ。
自分の思い描く将来と
天秤にかけなければならない状況。
その重さ支えてくれるのは、
ふとした日常のちょっとした出来事だったり。
今年の頭から、
自分も介護しなければならない状況となり、
夏からは2つ3つと重なった。
自分の背中にかかる責任。
嫌ではないが、感じる苦しさ。
これが高校生であれば、
もっと大きく暗く感じていくだろう。
それでも、どこかに楽しさを見つけて、
なんとか生きなければならないんだよね。
ある出来事に名前がついて
はじめて認識できることがあります。
ヤングケアラー、だって
中高生が高齢者や弟妹の面倒を見る
といったこと自体は
きっと昔からあったと思う。
それでも、社会の課題として
名前が付けられたから
気にする人が増え、
解決に向けて行政も動いた。
言葉の世界が広がる、
ということは
見えるものが増える、
ということ。
見えるものが増えればこそ、
課題としてとらえ
問題解決に向かうことができる。
子どもたちの国語力を伸ばすうえで、
語彙力は一つの要素です。
普段触れる言葉は
自分の興味関心の及ぶ範囲でしかなく、
それだけでは広がりません。
だからこそ
教科教育の中に国語があり、
自分の世界にない言葉に触れる経験が
与えられます。
それぞれの中にある「何か」を
言語化していくことで、
明確な理解になる。
そんな経験を
学校だけでなく、自分自身の
読書活動でもしてほしいものです。
というのも
先日の新教研テストで
ダンチョウの思い、を
ほとんどの子が
「団長」の思い、にしてて
がっかりしたもので。
なんでしょう、みんな
応援団なんですかね。
悔しすぎて苦しい、
それを
ムカツク、で済ませないで
断腸の思い、と
言い表したときに、
自分の気持ちを正確に表現できて、
相手にも伝えることができるはずです。
世界を正しくとらえ、
相手にも理解してもらうためにも、
言葉の世界を広げるのは
大事なことだと思います。
志事すんぞ!














