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秋の夕暮れ

秋の盛りか福島伊達

吾妻山、霊山が色づき始め

秋の美しさを感じさせます。

午前中に家事や所用を終え、

福島市立図書館に行ってきました。

蔵書の中でも、

本棚に入らないような大きい書籍を展示する

その名も「規格外資料展」を見に。

古地図の展示があったので、

明治時代の地図などを見ることができました。

勉強の秋ですな。

さて秋と言えば、有名な歌が。

今ちょうど授業で扱っているのですが、

三夕の歌に数えられる

藤原定家の有名な短歌。

見渡せば花も紅葉もなかりけり

浦の苫屋の秋の夕暮

ご存じの方も多いはず。

 

受験の指導ではごくごく当たり前の

指導もします。

この歌の、作者は定家だね、

句切れは三句切れだね、

表現技法は体言止めだね、

これらも大事ですが、

それだけでは終われません。

 

この短歌のどこが素晴らしいか、

そこも知ってほしい、

感じてほしいのです。

この歌を読んで、皆さんは何を感じますか。

きっと五感に様々な刺激受けるはずです。

何もない浜辺、

そこには美を感じさせる

花も紅葉もない、

さみしい風景が広がっています。

それでも、

夕日に照らされた秋の風景に、

しみじみしていいもんだ、と思わせる

静かな美があるわけです。

夕日や浜辺といった情景を

思い浮かべさせる視覚への、

潮騒の音を感じさせる聴覚への、

磯の香りを思い起こさせる嗅覚への、

秋の肌寒さや潮風を感じさせる触覚への、

刺激を感じていただけるはずです。

また、ここには無いはずの

花や紅葉を詠むことで

花や紅葉の華やかな美しさまで

私たちの脳裏に思い起こさせるのです。

 

この歌は、定家は

鑑賞する私達に、

秋の美しさをイメージさせる力の強さが、

スゴイんです!

視覚に無いものまで思い浮かばせるスゴさ!

たまりません!

 

何のために勉強するのか、

その答えの一つとして

真善美を学ぶことがあります。

美、何をもって美しいとするのか、

感覚的に良いものは良いんですが、

その感覚を言葉し自分のものににすることで、

磨かれた感性、センスとなります。

入試のための知識も大事ですが、

時々脱線して

塾生の興味関心を広げられたら幸いです。

 

よし、志事すんぞ!

さぁ、いきましょー♪

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