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本を聞く、ではできないこと

10月14日 雨が降ってきた福島伊達

あちこちで秋の例大祭が行われ

近所から太鼓のお囃子が聞こえました。

福島にはたくさんの山車がありますが、

養蚕が盛んで

経済が回りに回っていた名残なんだろうな。

さて、本を聞く、ではできないこと、の話

翠雨の人 伊予原新 新潮社

科学を信じ抜いた女性

ー猿橋勝子のひたむきな生涯!

私はあきらめない。

科学が導いてくれる

たったひとつの真実を

見つけるまでー。(本誌帯より)

 

戦前に学び、戦後活躍された

科学者猿橋勝子の生涯を描いた一冊。

女性の社会進出を

切り開いてきた博士の生き様、

そして戦後

敗戦国として扱われてなお

科学の真実で大国に立ち向かう姿勢は

読み手を熱くさせてくれます。

伊予原作品を

毎回楽しませてもらっていますが、

今までにない切り口で

今作は新鮮だった。

自然科学分野に明るい作者だからこそ、

饒舌になり過ぎず、

事実を大切にしながら

話を進めていると感じました。

言葉で盛ることなく、

ただただ誠実に氏の活動を追ことで

ひたむきに研究と向き合う姿が

目に浮かぶようです。

そして、その功績の大きさを

かえって雄弁に

語っているように感じました。

 

本を読むのが好きですが、

最近は目が疲れることが多く、

昔のようにたくさん

読み進めることができません。

そんななか

本を読んでくれるサービスが

CMで流れてきました。

それもアリかな、と

思う反面、

やっぱり聞くだけじゃもったいない

と思うところも。

 

だって本を聞く、では

できないことがあるからです。

それは文字を見ること、です。

文章は音にすることができます。

中身を理解するだけなら

それで事足りるかもしれません。

ですが、

文章を作り上げる時に

ひらがなを使うのか、

漢字を使うのか、

はたまた外来語にするのか、

それによって

読み手に与える印象は変わります。

だとすれば

やっぱり文字まで楽しみたい。

 

CMで紹介されていたのは

「アルジャーノンに花束を」

ダニエルキース作品でした。

これなんて、まさに

文字で楽しみたい作品です。

主人公の成長を

文章だけでなく

文字で感じることができるからです。

音だけなんてもったいない。

 

聞き流す本があってもいいですが

できれば

一生涯、目で楽しめたらいいなぁ、

と願うばかりです。

志事すんぞ!

 

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