学校が労働者の権利を教える矛盾
投稿日:2019年12月20日
公民の経済分野の授業の中で
労働者の権利の話が出てきます。
労働三権とか、
労働三法とかです。
また最近の働き方改革やら、
ワークライフバランスやらにも触れます。
その中で数年前に起きた
広告代理店の新入社員の話に触れることとなり、
残業時間が200時間とかは、
どれだけ大変なのか考えてもらいました。
ふと、考えたことは、
これを教えている先生方は
どんなお気持ちか、と
いうことです。
矛盾を感じてるんじゃないかなぁ、と。
学校の先生方も、
多くの業務を抱えています。
授業だけでなく、
部活の指導や、
提出書類の作成、
行事の運営など、
定時で変えれる先生はごくわずかです。
給特法というやつで
給料の4%が上乗せされているとはいえ、
民間であれば、
違法と言われる状態であるにもかかわらず、
労働者の権利を教えるわけですから。
さらに、変形労働制が導入され、
残業していないことにさせられる。
おかしいと思いながら教えるんでしょうか。
とある高校の先生が自死されました。
若い先生で、部活動の顧問もされていて、
ある月の残業時間が260時間を数えたとか。
260時間ですよ。
休みなく30日働いたとしても
毎日5時間以上残業していたことになります。
しかも、おそらくは、
これが特殊な事例ではなく、
多くの教員の方が同じ状態なのではないか、と
推測されてしまうわけです。
聖職者としての教員の姿は
本当に尊いものです。
だからといって、
教師個々人の犠牲の上に
胡坐をかいていいとは思えないのです。
社会の変化にともなって、
残業時間の減少、
有給制度の利活用、
プライベートの充実が
実現しつつあります。
少しでも改善がなければ、
なり手がいなくなっていきます。
資源のない日本にとって、
人材こそが宝。
その人材を育むのが、
学校であり、教員の皆様であるなら、
その労働環境の改善は、
日本の未来です。
子どもたちに労働の姿を教える学校こそが
まずは矛盾を減らし、
理想に近づいてほしいと願います。